定期予防接種

はじめに

 生後2か月になり、市町村から予防接種の案内が送付されてきたら、定期予防接種を始めましょう。同時に複数の予防接種を受けることが可能です。
市町村により接種基準が異なり、一部助成のある予防接種がありますので、お電話でご相談ください。

予防接種を受ける前に

かぜなどの病気が治ってから予防接種までは一定期間を空けることが必要です。以下の期間を開けた後、受診予約をしましょう。

■上気道感染症(一般的なかぜ症候群)や胃腸炎・・・治癒後1~2週(目安は2週間)
■突発性発疹、手足口病など軽症の感染症・・・治癒後1~2週(目安は2週間)
■はしか・・・治癒後4週間
■水痘、風疹、おたふくかぜなど・・・治癒後2~4週(目安は4週間)

ワクチンの接種年齢、接種回数と接種間隔について

(引用:公益社団法人 日本小児科学会Webサイト)

持参するもの

①母子健康手帳

②予防接種予診票
 ※必要な項目を記入の上、ご来院ください。

③健康保険証

④子ども医療費助成受給券

予防接種をした後の注意点

予防接種1時間以内は、お子様の体に変化が起こる可能性があります。十分、様子に注意しましょう。
また、接種日は以下の点にご注意ください。
・予防接種を受けた日は、激しい運動は避けます。
・入浴は可能ですが、接種部位を強くこすらない。

当日と翌日に発熱や接種部位が腫れた時は、当院にご相談ください。
時間外で緊急の場合は、下記に受診をしてください。

■松戸市夜間小児急病センター
 診療時間:午後6時~午後11時
 電話番号:047-712-2513

■急病救急テレフォン
 午後11時から翌午前8時は、急病救急テレフォンで2次待機病院を確認して受診してください。
 電話番号:047-366-0010

各種ワクチン

■B型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスの感染を予防します。1歳未満までに3回接種します。標準的な接種は生後2か月から8か月に3回接種します。各々の接種間隔は27日以上あけ、1回目と3回目は20週以上あける必要があります。


■ヒブワクチン

Hib(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)は人の鼻やのどにいて、抵抗力が落ちた時に、髄膜炎、肺炎、中耳炎をおこす細菌です。特に髄膜炎は重症化しやすく、後遺症が残ることがあります。ヒブワクチンは生後2か月から5歳未満までに接種するワクチンです。接種開始年齢により接種回数が異なります。生後2か月から7か月未満で開始した場合4回、生後7か月から12か月未満で開始した場合3回、1歳以上5歳未満開始では1回のみの接種となります。標準的には、生後2か月から生後7か月未満で1回目の接種を開始します。


■小児肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌は抵抗力が落ちた時に、中耳炎、肺炎、菌血症などを起こします。肺炎球菌ワクチンは、生後2か月から5歳未満までに接種するワクチンです。ヒブワクチンのように接種開始年齢により接種回数が異なります。生後2か月から7か月未満で開始した場合4回、生後7か月から12か月未満で開始した場合3回、1歳以上2歳未満で開始した場合2回、2歳以上5歳未満の開始では1回のみの接種となります。標準的には、生後2か月から生後7か月未満で1回目の接種を開始します。


■ロタウイルスワクチン

ロタウイルスは乳幼児に多い感染性胃腸炎のひとつです。激しい下痢やおう吐で脱水をおこしやすく、けいれんがみられることもあります。2種類のワクチンがありますが、永田小児科ではロタリックスというワクチンを採用しています。生後6週から24週未満の間に27日以上の間隔で2回経口接種します。


■5種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ・ヒブ混合ワクチン DPT-IPV-HIB)

生後3か月から7歳6か月未満までに接種します。20日以上の間隔をおいて初回接種3回接種します。初回3回接種から6か月以上の間隔をおいて追加接種(4回目)を接種します。生後2か月になったら、なるべく早く接種を始めましょう。既にDPT-IPVワクチンとヒブワクチンを別々に接種開始している患者さんは、5種混合ワクチンの接種はせず、追加接種まで別々にDPT-IPVワクチンとヒブワクチンで完了します。


BCG

結核菌を予防するワクチンです。結核菌は空気感染で感染し、生まれたばかりの赤ちゃんもかかることがあります。BCGは生後1歳までに接種します。標準的接種期間は、生後5か月から8か月です。


■麻疹風疹混合ワクチン

麻疹は空気や咳などによって感染します。感染力が強く、4日間の高熱と全身に発疹がでてきます。肺炎や中耳炎など重症化することもあります。風疹は3日ばしかとも呼ばれ発熱や発疹は比較的軽度ですが、妊婦がかかるとお腹の赤ちゃんが先天性風疹症候群になることがあります。先天性風疹症候群は心臓病、白内障、聴力障害、発達障害などなり、ワクチンを接種することが大切です。麻疹風疹混合ワクチンは1歳から2歳未満に1回、5歳以上7歳未満で小学校に就学する前の1年間(幼稚園年長児)に1回、合計2回接種します。


■水痘ワクチン

水痘は全身に丘疹、水疱、かさぶたができる感染力の強い病気のひとつです。発熱を伴うこともあります。水痘ワクチンは1歳から3歳未満の間に3か月以上の間隔を空けて2回接種します。


■日本脳炎ワクチン

日本脳炎はブタの体内でふえたウイルスがコガタアカイエカにより人に感染します。多くは無症状で治ってしまいますが、発病すると高熱、頭痛、意識障害、けいれんなど急性脳炎となり、重症化します。日本脳炎ワクチンは生後6か月から7歳6か月で3回、9歳から13歳未満に1回の合計4回接種します。標準的には3歳から接種をします。


■DT(ジフテリア・破傷風混合)第2期ワクチン

DPT-IPVワクチンで接種したジフテリアと破傷風の抗体が大きくなると下がってきます。再度接種することで予防効果を上げます。11歳から13歳未満で1回DTワクチンを接種します。


■ヒトパピローマウイルスワクチン

日本では1万人の女性が子宮頸がんになり、約3千人がなくなっています。子宮頸がんの原因の多くがパピローマウイルスワクチン16型と18型によるとされています。ワクチンは12歳の誕生日を含む年度初めから16歳の誕生日を含む年度終わりまで(小学校6年生から高校1年生)の女子に3回接種します。標準的には中学1年生で接種をします。


■インフルエンザワクチン(任意接種)

インフルエンザは毎年、高熱、咳など多くの人がかかる病気で、急性脳炎など重症になることがあります。ウイルスの型が変わるので、毎年ワクチンを接種する必要があります。生後6か月から13歳未満で2回、13歳以上は1回のインフルエンザワクチンを接種します。任意接種のワクチンですが、毎年接種するようにしましょう。


■おたふくかぜワクチン(任意接種)

おたふくかぜは耳の下にある耳下腺の腫れと痛みを起こす病気です。稀ですが髄膜炎や副睾丸炎、難聴などの合併症を起こします。任意接種のワクチンですが小児科学会では1歳と5歳の2回接種を勧めています。